タバコをやめたい人のための専門治療外来です。現在、喫煙は「ニコチン依存症」という病気であるとされています。

禁煙外来とは

タバコをやめたい人のための専門治療外来です。現在、喫煙は「ニコチン依存症」という病気であるとされています。

当クリニックでは禁煙治療を保険診療で行うことができます。
禁煙を考えている方、禁煙したいのに続けられない方を積極的にサポートしていきます。

健康保険による禁煙治療を受けるには

健康保険を使って禁煙治療を受けるためには、以下の要件を満たすことが必要です。

①ニコチン依存症を診断するテスト(TDS)でニコチン依存症と診断されること。
②1日の喫煙本数と喫煙年数を掛けた値(ブリンクマン指数)が200以上であること。
③ただちに禁煙することを希望していること
④禁煙治療プログラムについて説明を受け、禁煙治療を受けることに文書で同意していること

※平成28年4月より35歳未満の方はブリンクマン指数200未満でも保険適応となります。また、禁煙治療中に禁煙継続できなかった方も、治療終了後から1年以上経てば保険適応となります。

ニコチン依存症を診断するテスト(TDS)

ニコチン依存症とは

タバコを吸うと、ニコチンが数秒で脳に到達し、快感を生じさせる物質であるドパミンを放出させます。
ドパミンが放出されると、タバコを吸った人は快感を味わいます。また同時に、もう一度タバコを吸いたいという欲求が生じます。その結果、次の1本を吸って再び快感を得ても、さらに次の1本が欲しくなるという悪循環に陥ります。この喫煙が習慣となった状態を「ニコチン依存症」といいます。

タバコの健康被害

非喫煙者(1.0)と比較した喫煙者の死亡率(男性)

・クモ膜下出血出血→1.8倍
・口腔、咽頭がん→3.0倍
・咽頭がん→32.5倍
・食道がん→2.2倍
・肺気腫など→2.2倍
・肺がん→4.5倍
・虚血性心疾患→1.7倍
・肝臓がん→3.1倍
・胃がん→1.4倍
・胃潰瘍→1.9倍
・膵臓がん→1.6倍
​・膀胱がん→1.6倍

禁煙補助薬について

【薬の種類】
当院では皮膚に貼るタイプの薬と内服薬、いずれかの禁煙補助薬で治療を行います。
どちらの薬剤を選択するかはニコチン依存度や⽣活リズムなどにあわせて異なります。

禁煙治療のスケジュール

貼付薬(ニコチンパッチ)は8週間使用し、残りの4週間は貼付薬(ニコチンパッチ)なしで禁煙を継続します。
内服薬(チャンピックス)は12週間内服し続けます。


各診察では、禁煙補助薬の処方だけでなく、息に含まれる一酸化炭素の濃度を測定します。
一酸化炭素はタバコに含まれる代表的な有害物質ですが、禁煙を始めれば、この値は低下します。
また、禁煙を継続するためのアドバイスを受けることができるため、禁煙は成功しやすくなります。

呼気一酸化炭素濃度測定

タバコには、約200種類以上の有害物質(ニコチン、一酸化炭素、タールなど)が含まれています。一酸化炭素はニコチンと一緒に動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。また、一酸化炭素は酸素の運搬を妨害するため、持久力や作業効率を低下させます。呼気一酸化炭素濃度測定器で、自分の体内に有害物質である一酸化炭素をどれだけ取り込んでいるかを調べます。

禁煙による変化

禁煙期間

20分 血圧や脈拍が正常化し、手足の体温が正常に戻る。
8時間 血液の一酸化炭素濃度が正常になる。
24時間 心臓発作のリスクが減る。
48時間 運動機能が改善し、味覚・嗅覚が復活し始める。
72時間 気管支の緊張がとれ呼吸が楽になる。肺機能が改善する。
2〜3週間 心機能が改善。肺機能が30%回復する。
1〜9ヶ月 咳、息切れ、疲れやすさが改善する。気道の自浄作用が改善し感染症を起こしにくい。
1年 虚血性心疾患にかかる危険が喫煙者の1/2になる。
5年 肺がんで死亡する率が半分に減る。
10年 前がん状態の細胞が修復される。口腔がん、咽頭がん、食道がん、膀胱がん、膵臓がん等になる確率が減少する。